働き方を決める
長期インターンの掛け持ちはできる?
二社で実際に働く前に、契約・時間・秘密情報の条件を確かめる

長期インターンの掛け持ちを考えたら、二社で実際に働く条件を確認しましょう。複数社へ応募する数の決め方は、並行応募のガイドで扱います。本稿は国内で二社の仕事を同時に始める、または一社を追加する大学生向けです。出典を付けた制度説明以外は編集部の提案で、個別の法的判断は行いません。
二社の契約と兼業手続き、合計の勤務負担、仕事や秘密情報の重なりを確かめてから判断しましょう。両社の必要な手続きが終わり、学業・休息と両方の約束を守れる条件がそろえば、同時参加を検討できます。回答待ちや調整できない条件があるなら、開始をずらすか、一社を選ぶ案を残してください。
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二社それぞれの契約と、増やす目的を整理する
まず、すでに働いている会社と、追加を考えている会社を分けましょう。同時に開始を検討しているなら、両方とも「未承諾」と記録します。応募中、承諾済み、契約済み、勤務開始済みを一つにまとめないでください。
会社ごとに、契約相手の正式名称、契約の種類、開始日、期間、担当作業、最低勤務条件を書きます。紹介担当者が同じでも、各就業先の確認を一回で済ませたと考えないようにしましょう。
厚生労働省は、労働者に当たるかを、契約の名称ではなく、指揮監督、報酬、働き方などの実態から個別に判断すると説明しています。
出典:厚生労働省「労働基準法における「労働者」とは」(労働者に該当するかどうかの判断基準。公表・更新日:記載なし、確認日:2026-10-16)。
一方が業務委託と説明された場合は、業務委託契約の確認手順で、実際の指示や報酬の説明も整理してください。雇用の書類は、労働条件の読み合わせを使って確認します。
加える目的も具体化します。「A社では受注入力、B社では顧客への提案を経験したい」という架空の例なら、その担当が本当に予定されているかを聞きます。同じ経験を増やすだけなら、一社で担当を広げる相談や、時期をずらす案とも比べてください。
両社のルールを、承諾前に確認する
厚生労働省の労働者向けリーフレットは、勤務先の副業・兼業のルールを確かめ、それに照らして仕事内容や就業時間が適切な仕事を選ぶよう案内しています。
出典:厚生労働省「企業も労働者も安心して副業・兼業に取り組むために(労働者の皆さまへ)」(1ページ・基本的な考え方。公表・更新日:2022年10月(資料内表記)、確認日:2026-10-16)。
各社の契約書、就業規則、兼業の案内から、届出の要否、許可が必要な場合の判断者、申請の時期、条件変更時の再連絡を確かめましょう。「副業可」という募集の表示だけで、今回の相手先・仕事内容まで確認済みにしないでください。
- 現在の会社へ:追加する仕事と勤務予定について、必要な手続きは何か
- 新しい会社へ:別の仕事を続ける前提で参加できるか
- 両社へ:勤務時間と変更内容を、誰へどの方法で報告するか
担当者の回答には、対象の会社・業務・時間、条件、回答日を残します。紹介窓口の「大丈夫」だけで進めず、実際の契約先の窓口で確認してください。
会社の了承を、個別の働き方について法律上の確認まで終わったという意味に広げないようにします。逆に、公的な制度説明を読んだことだけで、社内手続きを省かないでください。判断が分かれる条項は、承諾前に専門家へ相談する案です。
労働時間の通算は、契約名だけで判断しない
異なる会社のいずれでも、労働基準法の労働時間規制が適用される労働者に当たる場合は、それらの労働時間を通算する扱いが示されています。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン パンフレット」(冊子30ページ(PDF31ページ)・3(2)ア(ア)。公表・更新日:2025-03-31改定(公式掲載ページの表記)、確認日:2026-10-16)。
労働基準法が適用されない働き方や、同法の労働時間規制が適用されない場合の時間は、この通算の対象外とされています。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン パンフレット」(冊子30ページ(PDF31ページ)・3(2)ア(ア)。公表・更新日:2025-03-31改定(公式掲載ページの表記)、確認日:2026-10-16)。
「各社では短時間だから問題ない」「業務委託と書いてあるから合計を見なくてよい」と、自己判断しないでください。二社の契約と予定をそれぞれの担当者へ示し、通算の対象か、どう管理するかを確認しましょう。
質問には、契約を結ぶ日、勤務期間、曜日、始業・終業、時間外の作業の見込みを添える案です。開始後の実績を伝える先と期限、追加勤務を頼まれた時の相談方法も決めます。実際の記録は、勤務時間の記録方法を参照してください。
この記事では、個別の法定上限や割増賃金を計算しません。回答に疑問が残る場合は、二社分の資料と質問・回答をそろえ、労働基準監督署などの公的窓口へ相談してください。通算の対象外と説明された時間も、次の生活予定の計算からは除かないでください。

合計時間に加え、同じ日時への約束を点検する
両社の最低勤務条件を一枚に置き、研修・定例会議・提出期限まで並べましょう。週の合計が入っていても、同じ火曜日の夕方に両社の出席を約束しないよう、日時ごとの重なりを確かめます。
次は実在の勤務ではない計算例です。A社の勤務が週十六時間、B社が週十二時間、両社に通う移動が週四時間と仮定します。この例では、生活予定に確保する時間は合計三十二時間です。移動をすべて法的な労働時間と数える計算ではありません。
この三十二時間の外に、授業、課題、食事、睡眠、休む時間を確保できるか確認します。研修が上の勤務時間に含まれないなら追加し、未定ならゼロに置かず質問してください。基礎となる予定表は、授業との両立の組み方で整理できます。
二社の場合は、一方の変更がもう一方の約束へ及ぶ場面を試してみましょう。A社の勤務延長とB社への移動が重なるなら、延長を引き受ける前の連絡先を決めます。試験期に両社とも日数を減らせるかも別々に聞き、片方への相談だけで二社分の調整が終わったとしないでください。
競合する仕事と、扱う情報を照合する
厚生労働省のガイドラインは、副業・兼業で留意する点として、業務上の秘密の保護と、競業による会社の正当な利益の侵害を挙げています。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(7ページ・3(1)イ、ウ。公表・更新日:2022-07-08改定(公式掲載ページの表記)、確認日:2026-10-16)。
両社の業種名だけでなく、自分が扱う商品、顧客、営業地域、担当作業を確認しましょう。同業だから一律に不可、異業種だから確認不要という決め方は避けます。実際の業務の重なりを、両社の担当窓口へ確認する提案です。
例えば、A社で価格表を扱い、B社で同じ顧客への提案を担当するという架空の場面です。「漏らさないよう気を付ける」とだけ答えず、担当を分けられるか、兼業条件に抵触しないかを開始前に尋ねます。調整が確認できなければ、その組み合わせを引き受ける判断は保留しましょう。
確認のためでも、A社の顧客名簿や未公開の価格表をB社へ送らないでください。まず情報の種類と担当範囲を説明し、具体的な確認に必要な情報と、開示できる範囲を元の会社へ相談します。双方の秘密を見せ合う方法で確認を進めないことが大切です。
端末・アカウント・成果物を会社ごとに分ける
兼業が認められた後も、仕事に使う環境は両社へ別々に確認しましょう。貸与されたパソコン、アカウント、ソフト、保存先を、もう一方の仕事に使ってよいと自己判断しないでください。
- 端末:どの会社の作業に使えるか、私物利用の条件は何か
- アカウント:会議、メール、チャットへどの名義で入るか
- 資料:保存先、提出先、閲覧できる相手は誰か
- 成果物:過去に作った資料を再利用してよい範囲はどこか
「自分が作った説明資料だから」と別会社へ持ち込む前に、利用条件を確認してください。練習用に作る場合も、実際の顧客データや社内の数字を写す方法は避けましょう。環境の詳しい確認は、在宅業務のセキュリティ確認を使えます。
作業を切り替える時は、会社名、ログイン中のアカウント、開いている資料、送信先を読み合わせる案です。片方の勤務中に、もう片方の会議や依頼へ対応する予定は組まないでください。誤送信に気づいたら追加共有を止め、該当する会社の指定窓口へ状況を報告しましょう。
二社で始める・開始をずらす・一社を選ぶ
最後は、下の判断案を自分の確認結果に当てはめます。項目の数で採点せず、参加の前提が一つでも未確認なら、その回答を得るまで二社で働く約束を進めない方法を勧めます。
- 二社で始める:両社の必要な手続きが終わり、時間管理、学業との予定、競業と秘密情報の扱いを確認でき、実行できる
- 開始をずらす:条件の回答待ち、研修の重複、試験期の調整など、開始日を変える必要がある
- 一社を選ぶ:最低勤務条件が両立しない、必要な調整ができない、休息や情報分離を守る見込みが立たない
開始延期は自分だけで決定せず、受け入れ可能な日と返答期限を確認します。すでに契約・承諾をしている場合は、単なる応募辞退と同じに扱わず、変更や終了の手続きを契約先へ相談してください。
承諾前に送る仮の確認文は、「別の会社で[仕事内容・曜日・時間]の勤務を続けながら参加を検討しています。御社の兼業手続き、勤務時間の報告方法、担当範囲の条件を確認したいです。回答を踏まえ、[日付]までに参加可否をお返事できるか相談させてください」です。
今日することは、両社の契約と勤務条件を並べ、判断を変える未回答を一つ選ぶことです。開始後も、研修追加や担当変更で条件が変わったら再相談しましょう。体調や学業に支障が出た時は、二社を続ける前提に固執せず、勤務の調整を求めてください。