仕事を具体的に知る
営業の成約率を計算する
分母・集計期間・途中の案件をそろえる練習

営業の成約率の計算を、架空の20件の商談で練習します。人数と案件の違い、集計期間、継続中の案件、分母が0件の場合を整理。数字だけで優劣や原因を決めず、根拠を添えて報告する方法です。
成約件数を対象の案件数で割る前に、何を一件と数え、どの期間を見るかをそろえましょう。率と一緒に件数・集計日・継続中の案件の扱いを残し、分母0件は算出できないものとして区別してください。
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最初に「何に対する何件か」を書く
Salesforceは成約率を、商談した案件のうち受注に至った割合と説明しています。
同資料が示す計算式は、成約件数を案件数で割り、100を掛ける形です。
出典:Salesforce「成約率とは?営業上の意味や計算方法、上げる方法を解説」(定義・営業成約率の計算方法、公表・更新日:2024-01-18、確認日:2026-10-11)。
自分の職場の数字を扱う前に、分子と分母の言葉を担当者とそろえてください。この記事では、商談した案件を分母、そのうち成約した案件を分子とする説明用の計算を使います。自社の集計ルールを示すものではありません。
「20件」という数字だけを見ても、電話した回数か、話した人数か、商談した案件かは決まりません。計算欄の横に、何を一件と数えるのかを書いてから割り算をしましょう。まだ定義が分からなければ、成約率の欄は空けておきます。
小さな仮データで計算する
仮に、ある期間に商談した案件が20件あり、その20件の中で成約が4件だったとします。この条件で計算すると、4÷20×100=20%です。ここにある件数と率は計算を学ぶための架空値で、実績や目標値ではありません。
| 区分 | 仮の件数 | 扱い |
|---|---|---|
| 商談した案件 | 20件 | 今回の分母 |
| そのうち成約した案件 | 4件 | 今回の分子 |
| 資料を送っただけの相手 | 6件 | 今回の定義では商談20件へ混ぜない |
紙に「成約4件/商談20件」と書き、計算した20%と並べてみましょう。率だけを残すのではなく、分子と分母も一緒に記します。別の人が同じ条件で計算できるかを、練習のゴールにしてください。
もし商談件数の中へ資料送付6件を足したなら、4÷26という別の計算になります。その数字を、先ほどの「商談した案件に対する成約率」と同じ意味で使わないようにします。分母を変えるなら名称と定義も変えましょう。
人数・案件・回数を混ぜない
次の仮例では、顧客Aと二度話し、顧客Bと一度話したとします。会話は三回ですが、相手は二者です。一つの案件について二度打ち合わせたのなら、案件の数と打ち合わせの回数を同じ欄に入れない練習をしてください。
同じ相手でも、別の案件として管理するかどうかは、会社の定義を確認します。読者が自分で案件を分割し、数字を良く見せるために都合のよい数え方へ変えないでください。
- 単位を書く:人、社、案件、打ち合わせ回数を区別する。
- 対象を決める:どの記録を今回の集計へ含めるか。
- 重複を探す:同じ案件が別の行にないか。
- 修正を残す:数え方を直した理由と元の値を記録する。
メモを残す際は、商談メモの取り方も使えます。この記事の計算のために、顧客名や個人情報を私物の表へ持ち出す必要はありません。練習には仮のIDを用いましょう。

期間をそろえ、途中の案件を隠さない
仮に、10月に商談した20件のうち、10月末時点で成約4件、見送り10件、継続中6件だったとします。この説明例で「20件のうち現時点で成約4件」と集計すると20%です。継続中6件の結論はまだ出ていません。
一方、結論が出た14件だけを見るなら4÷14×100で約28.6%です。二つは分母が異なるため、片方だけを選んで成果が上がったと言わないでください。どちらを報告するかは、会社の定義に合わせます。
「10月に成約した件数」へ9月以前に商談した案件が入る場合も、10月に始めた商談だけを分母にする計算と混ぜないよう整理しましょう。仮データで、商談日と成約日を別の列へ書き、どの日付で対象を選んだかを示す練習ができます。
報告の文例は、「10月に商談した20件を対象に、10月31日時点で4件成約。6件は継続中」です。集計日を添え、未確定の案件があることを一緒に伝える案です。
0件や少数の数字をどう伝えるか
分母が0件なら、この割り算はできません。商談が一件もない仮の期間は、成約率を0%と置き換えるのではなく、「対象商談0件のため算出しない」と記す案にしてください。成約0件・商談10件なら、0÷10×100で0%です。二つを区別します。
Microsoftは、Excelで0を除数にした場合に#DIV/0!エラーが表示されると説明しています。
出典:Microsoft「エラー値 #DIV/0! を修正する方法」(冒頭のエラー原因、公表・更新日:記載なし、確認日:2026-10-11)。
仮にA週は1件中1件が成約、B週は20件中4件が成約だったとします。計算だけならそれぞれ100%、20%です。しかし、この練習だけでA週のやり方が優れていると結論づけないでください。まず対象件数と案件の内容を並べて、比較の条件を説明します。
「平均は何%ですか」と聞かれた場合も、根拠のない相場は出さないでください。商材、対象、期間、集計方法が一致した比較資料があるかを確認し、なければ今回の件数と計算結果だけを報告します。自分の数字を良く見せるための分母の選び直しは避けましょう。
計算結果を、次の確認へつなぐ
最後に、架空の三段階を並べてみましょう。「会話できた案件40、商談20、成約4」という例です。商談/会話は50%、成約/商談は20%です。どの段階の割合かを省かず、別々の名前で記します。
この仮例から原因までは分かりません。次に行う案は、商談へ進まなかった案件の記録を読み、案内対象、相手の希望、未確認事項を整理することです。「学生の話し方が悪い」と数字だけで決めず、確認する資料を一つ選んでください。
振り返りでは、事実から次の行動を決める方法へ計算結果を添えて使えます。目標の置き方とは別に、まず現在の数字の定義をそろえましょう。
今日の提出物は、分子・分母・対象期間・集計日・途中案件の扱いを書いた一行と、その計算です。指導者に「この定義で合っていますか」と見てもらい、確認前の値を確定した業績として扱わないでください。