営業の仕事を学ぶ
営業で価格を聞かれたらどう返す?
金額確認・比較・値引き依頼を分けて対応する

営業で価格を聞かれたときの返答は、質問の意味によって分けて考えましょう。この記事では「いくらか」「別の案より高い理由」「下げられるか」という三場面を、営業インターン向けの編集部の練習案として扱います。
金額の確認、比較条件の確認、値引きの依頼を分け、確認済みの資料と自分の担当範囲で返答しましょう。分からない費用や価格変更は担当者へ戻し、相手が見送る意思を示した場合は、説得を続ける前提にしないでください。
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「高い」の意味を、決めつけず一問で聞く
営業で価格を聞かれたときの返答は、すぐ値引きを提案する前に、何を確かめたい質問かを整理する案です。「高いですね」という言葉から、予算がない、興味がない、交渉していると決めないでください。まず相手が話した範囲で受け止めます。
質問案は「金額の内訳、他の案との違い、ご予算との関係のうち、どの点を先にご説明するとよいでしょうか」です。全部を選ばせる必要はありません。相手が「今回は検討しません」と意思を示したら、さらに価格の理由を聞き出す課題へ変えないでください。
本記事は、価格に関する会話の分岐を練習するものです。料金表を作ることや、最適な値引き額を決めることは扱いません。見送る意向への返答は営業で断られたときの対応で整理できます。
金額を答えるなら、何の数字かを一緒に示す
金額そのものの質問なら、使用を認められた料金資料を開き、対象商品、数量、期間、含むもの、含まないものを確認してから返す案です。「この金額です」とだけ答えず、相手が尋ねた条件と同じかを先にそろえましょう。
国税庁は、総額表示義務の対象を、事業者が消費者に対してあらかじめ表示する価格と説明しています。
同ページでは、口頭で伝える価格は総額表示義務の対象とならないと説明されています。
出典:国税庁「No.6902「総額表示」の義務付け」(概要/総額表示義務の対象。公表・更新日:2026-04-01現在法令等、確認日:2026-10-14)。
これは制度の対象範囲の説明です。口頭なら税込か税抜かを曖昧にしてよい、という意味には使いません。編集部は、口頭の返答でも、承認された金額の区分と適用条件を添えることを提案します。個別商品の税率や表示方法が不明なら、勤務先の担当者へ確認してください。
たとえば、月額は分かっていて初期費用が未確認なら、「月額のこの部分は資料で確認できますが、初回に必要な費用は確認して回答します」と分けます。未確認をゼロ円として補ったり、口頭だけで新しい条件を約束したりしないでください。
三つの質問を、異なる返答へ分けてみる
以下は架空のサービス相談です。金額や条件は実在の商品を表していません。相手の質問を聞いて、次にする確認を選ぶ練習に使ってください。
| 相手の質問の例 | まず返す内容の案 | まだ決めないこと |
|---|---|---|
| 毎月いくらですか | 利用人数と対象プランを確認して、承認済みの月額を案内 | 初回費用を含む総額 |
| 別の案より高いのはなぜですか | 比べている期間と含まれる範囲を尋ねる | 相手の案の品質や安さの理由 |
| この金額より下げられますか | 変更を希望する条件を確認し、価格判断の担当へ相談 | 値引きの可否と幅 |
一つ目で相手が総額を知りたいと分かったら、月額だけを繰り返さず、必要な費用項目を確認する会話へ戻します。二つ目では相手が比較資料を持っていなければ、違いは未確認として残してください。
三つ目で「担当へ相談します」と返しても、値引きできる見込みまで伝えたことにはしない案です。実際に使う表現は社員とそろえ、「下がると思います」など、判断前の期待を追加しない練習をしましょう。
他の案との比較は、分かる違いだけを説明する
比較を求められたら、同じ利用期間、数量、必要な作業、追加費用で比べられるかを確認します。相手が出した数字だけを使い、相手の候補には支援がない、品質が低いと理由を作らないでください。
架空例として、自社案には初期設定の作業が含まれ、相手の比較案ではその扱いが分からない状態を考えます。返答は「こちらの案には、この初期設定の作業が含まれます。比較されている案の範囲は、今の情報では確認できていません」と分ける案です。
条件が違うと分かった場合も、その差に相手が価値を感じるはずだと結論づけません。「この作業は御社で必要な範囲に入りますか」と確かめましょう。必要でないなら、対応を外した案があるか社員に相談できますが、その場で新プランを作る約束にはしません。資料の照合は見積書の比較で詳しく練習できます。
値引きの依頼は、条件と担当を分けて持ち帰る
自分に価格変更の権限がない場合は、依頼を断定的に受けたり拒否したりする前に、担当者へ戻す手順を確認します。希望金額を聞く必要があるか、何を社内へ伝えるかも勤務先の方針に合わせてください。
仮の返答例は「価格の変更は私の担当では判断できないため、担当者へ確認します。今回ご希望なのは、数量を変えずに金額を見直すこと、という理解で合っていますか」です。相手が別の範囲も変えたいなら、その条件を別欄に残します。
社内への確認には、質問の要約、対象資料、数量と期間、変更希望、返答方法の希望を添える案です。「値下げ希望」だけに縮めず、何を維持したまま何を変えたいかを示します。確認の期限がまだ分からなければ、回答日を自分だけで約束せず、連絡の進め方を担当者と調整しましょう。

返答後は、合意した条件と残る問いを読み合わせる
回答を受け取ったら、誰がどの版の条件を確認したかを記録してから、許可された範囲で相手へ伝えます。金額だけが変わったのか、数量や提供範囲も変わったのかを読み合わせてください。変更前の条件を並べた資料を、そのまま送らないようにします。
相手が説明を聞いたことを、購入や契約への同意と記録しないでください。「この条件を持ち帰って検討する」「今回は見送る」「追加確認が必要」といった、実際の返答の範囲を残します。追加の連絡をする場合も、希望する方法や時点を確認する案です。
今日の練習では、表の三つの質問へ一文ずつ答え、その返答で新しい約束をしていないかを社員役に見てもらいましょう。言い回しを整える前に、答えられる範囲、確認する条件、誰へ戻すかを説明できることを目指します。理由を説明できないまま数字を埋めるより、未確認を明示した返答を作ってください。