就活の準備と確認
インターンのポートフォリオ|成果物の掲載許可を確かめる手順

インターンのポートフォリオに成果物を載せたいときは、公開前に許可の範囲を確かめましょう。この記事では、確認する資料、相談の文例、掲載できない場合の代替方法を整理します。公的資料の説明以外は編集部の提案です。個別の権利や契約の判断は、勤務先の担当者や必要に応じて専門家へ確認してください。
まず、載せたい成果物と、見せる相手・掲載場所を具体的にしましょう。守秘、著作権などの権利、契約や勤務先の規程を確認し、許可を得た版だけを使ってください。許可が確認できない場合は掲載を保留し、公開できる経験の説明や自主制作へ切り替えます。
目次読みたい項目から確認できます
先に、何を誰へ見せたいかを決める
「実績を載せてよいですか」と一括で尋ねる前に、対象を一つずつ並べてください。自分が作った資料、共同制作した画面、公開済みのページ、作業中の写真など、見せたいものの名前と範囲を特定します。
その次に、提出先を選びます。特定の応募企業へPDFで送るのか、面接中だけ画面に出すのか、一般公開するWebサイトへ載せるのかを分けてください。複数の使い方を考えているなら、別々に確認しましょう。
- 成果物:どのファイル・ページ・画面か
- 目的:何の経験や担当を説明したいか
- 相手:誰が閲覧するか
- 方法:添付、画面共有、公開サイトなど
- 期間:いつからいつまで使いたいか
- 内容:原本か、加工版か、文章での説明か
掲載前の相談に使うためでも、社外へ持ち出してよいか未確認の原本を個人のクラウドへ移さないでください。まず会社が許可する環境の中で、確認用の一覧や見本を作れるか担当者へ相談します。
守秘情報は、公開したい資料の中身から確認する
NCOのハンドブックは、不正競争防止法上の営業秘密を、秘密管理性・有用性・非公知性の三要件をすべて満たす情報と説明しています。
出典:内閣官房国家サイバー統括室(NCO)「サイバーセキュリティ関係法令Q&Aハンドブック Ver.3.0」(Q21「営業秘密の要件」p.101/PDF 121ページ目。公表・更新日:2026-10、確認日:2026-10-10)。
この定義だけで、自分の資料を公開できると判断しないでください。以下は掲載前の確認手順としての提案です。法的な営業秘密の該当性を学生本人が決めるための判定表ではありません。
契約書、秘密保持の約束、情報管理や広報の規程で、社外へ出す情報について何が定められているかを読みます。分からない用語や、解釈が分かれる箇所は、その記載を示して担当者へ確認してください。
資料の点検では、顧客名、連絡先、未発表の計画、売上や費用の数字、社内の手順、ログイン情報を探します。見つかった情報を自己判断で少し隠して使う前に、掲載用に作り直してよい範囲を相談しましょう。
作業場所や保存先の確認は、在宅インターンのセキュリティへ分けて進めてください。ここでは、その環境の外で成果物を見せる許可を、対象ごとに確かめます。

自分の担当と、作品を使える権利を分けて聞く
文化庁は、保護対象や保護期間、権利制限規定などを確認し、許諾なしで利用できる場合に当たらなければ、原則として権利者の許諾が必要と説明しています。
出典:文化庁「他人の著作物を利用したい場合など」(「著作権の考え方のフロー」①~⑤。公表・更新日:記載なし、確認日:2026-10-10)。
確認では、「自分が作業した部分」と「その成果物を外部で使ってよいか」を別の問いにしてください。作成に関わったことだけを理由に、原本の転載や再配布を決めないようにします。
権利については、誰に利用可否を確認するのか、会社からどの範囲の承認を得るのかを担当者へ尋ねましょう。共同制作物なら、自分の担当範囲の表現も一緒に確認します。チームで完成させたものを、一人で作り切った成果として書かないでください。
文化庁は、著作物の実際の利用では、著作者人格権や肖像権などの権利、法令、利用条件等も確認が必要となる場合があると案内しています。
出典:文化庁「他人の著作物を利用したい場合など」(「はじめに」。公表・更新日:記載なし、確認日:2026-10-10)。
写真、ロゴ、図、文章、フォントなどが含まれる場合は、それぞれの出所と利用条件を確認項目にします。会社の担当者に承諾をもらっただけで、他の権利者に関する確認まで済んだと推測しないようにしてください。
権利者や条件が分からない部分は、確認できるまで使わない方針を提案します。引用に当たるか、職務上作った著作物の権利が誰に帰属するかなどの個別判断は、専門家を含む適切な確認先へ相談してください。
許可の相談では、掲載用の版と条件を示す
相談は、勤務先が指定する窓口から始めましょう。直属の担当者が判断できない場合は、広報や法務など、社内の誰へ確認すればよいかを尋ねます。判断者を自分で推測して、返事のない相手の代わりに別の人へ承認を求める進め方は避けてください。
以下は編集部作成の書き換え用の仮文例です。実際の承認の事例ではありません。対象のファイルや提出先が決まっていない箇所は、埋める前に確認しましょう。
「就職活動で担当業務を説明するため、〔成果物名・版〕の〔掲載部分〕を、〔提出先・掲載場所〕で使用したいと考えています。〔氏名・数字・画面など〕は掲載せず、添付の確認用案の範囲で考えています。社外使用の可否と、必要な権利確認、掲載条件、確認いただく窓口を教えていただけますでしょうか。」
確認用の案は、社内で許可された方法で渡してください。使う前の問い合わせなのに、相談先の外部サービスへ原本をアップロードしてしまわないよう、送付先も点検します。
返答を受けたら、許可された対象、版、相手、期間、条件を記録します。「検討します」「上司に聞きます」という返答は、使用許可を得た記録にしないでください。返事がない場合も、掲載を始めず確認待ちにします。
加工した資料も、完成版を見てもらう
会社名や数字を削った版を使いたい場合は、加工方法だけでなく、完成した掲載用データを見てもらいましょう。隠す対象、残す表現、載せる場所をセットで確認してください。
編集部の点検案として、本文以外も見直します。ファイル名、コメント、変更履歴、画像の背景、別ページ、リンク先、資料のプロパティに、公開しない情報が残っていないかを確認します。共有リンクなら、指定した範囲の資料だけを開けるかも点検しましょう。
仮の例として、顧客名を伏せた制作画面を考えます。この場合も、画面内のロゴやURL、案件を推測できる説明を残してよいかは別に確かめてください。「名前を消したので自由に使える」と、自分だけで決めないようにします。
公開済みの企業ページを紹介したい場合も、紹介文、画面の転載、リンクでの案内を分けて相談しましょう。掲載元で公開されていることから、画像の転載や社内の制作過程の開示まで許可されたと扱わないでください。
確認後に資料を編集したら、変更した部分について再確認が必要かを尋ねます。許可された版と、最終的に提出する版を照合してから使いましょう。
掲載できない時は、説明する材料を選び直す
掲載の許可を得られなかったら、成果物の公開は見送り、別の説明方法を検討します。掲載できない理由を推測して、勤務先の規程や権利者の判断を無視する方法へ切り替えないでください。
一つの案は、公開してよい作業の説明だけを文章にする方法です。「何を担当したか」「どんな点を確認したか」「自分は何を考えて動いたか」を書き、表現の範囲も勤務先へ確認しましょう。案件名や数字を省くだけで十分とは扱わないようにします。
もう一つは、業務の資料やデータを使わず、自分で設定した題材で自主制作をする方法です。会社の未公開の企画やテンプレートを、記憶を頼りに再現する進め方は避けてください。使う素材の権利も別に点検します。
自主制作には、「自主制作」「架空の題材」など、実務実績ではないと分かる説明を付けましょう。仮に設定した数字や成果を、インターン先で達成した結果として書かないでください。制作した目的、考えた選択肢、自分が確認した内容を示します。
文章で経験を説明する構成は、長期インターンのガクチカを参考にしてください。実際の担当と学びの範囲を守り、公開できる情報だけで組み立てます。
提出前は、権利・内容・共有先を別々に照合する
掲載する直前に、許可の記録を開いて、実際の提出物と照合しましょう。文章の見栄えを整える作業とは分けて、次の順に点検してください。
- 権利と守秘:確認した相手、許可の対象、残っている未確認点を読む
- 内容:自分の担当、共同作業の範囲、事実と仮設定を点検する
- 版:許可されたファイルと、提出するファイルを照合する
- 共有:提出先、閲覧できる人、公開期間を確かめる
- 表示:必要な出典やクレジット、使用条件を満たすか確認する
限定された相手への提出を承認された後に、同じ資料をSNSや公開サイトへ転用したい場合は、その使い方を改めて相談してください。別の応募企業へ送る場合も、元の許可に含まれるかを確かめます。
応募先から原本や追加の数字を求められた場合は、その場で開示を約束しないでください。「勤務先への確認が必要なため、共有できる範囲を確認して回答します」と伝える方法を提案します。
掲載後も、条件と変更点を確認できる形にする
提出や掲載を終えたら、使った版、送った相手、公開場所、許可の条件を一緒に記録しましょう。掲載をやめる日が決まっているなら、自分の予定にも残します。勤務先を離れる際も、成果物の保管や掲載について確認してください。
公開してはいけない情報が含まれていたと気づいたら、自己判断だけで処理を終えず、勤務先の報告手順に従いましょう。何をどこへ出したか、いつ気づいたか、現在確認できる状態を整理して伝えます。
公開停止や閲覧制限をした場合も、その操作と確認できた状態を区別して報告してください。「もう誰も見られない」と未確認の範囲を断定せず、追加で必要な対応を担当者へ尋ねましょう。
いま始めるなら、載せたい成果物を一つ選び、使用目的と共有先を書いてください。その後に、契約・規程の該当箇所と確認窓口をそろえます。掲載の準備を進める前に、何をどの範囲で使えるかを確認するところから始めましょう。